2013年の著書で田部井さんが闘病していたことを知った。
「副作用がなくなったら楽になるだろうが、これも生きている証拠のひとつ。副作用真只中でも考えることは前へ、前へだ。」
「歩けるうちは歩いておく。生きているうちは一分一秒でも楽しく、やりたいことをやって生きぬけたい」
「生きていることはやっぱり楽しい。歩くことが生きることだ。」
すいぶん前に磐梯山の弘法清水小屋でお会いして挨拶したことがあった。ふつうの年配の女性登山者と何も変わらない。でも、もっと山に登りたい、登山の経験を活かして人の役に立ちたいと思う気持ちはエベレストよりも高かったのだろう。
ご冥福をお祈りします。