好歩好日 ~Good Life with Nordic Walking~

美しい風景や街並み、ステキな方々、美味しいものとの出会いを楽しみに地元を歩くのが好きな「郷土ウォーカー」のブログです。 最も効率良く歩ける手段としてノルディックウォーキングを愛好しています。 歩くことでカラダだけでなくいつの間にかココロも元気になっている、そんな「歩き」を広めていきたい。主に宮城県を中心としたノルディックウォーキングの情報も掲載しています。(ページの最後にNWイベント情報をまとめたカレンダーがあります。PC版でご覧下さい。)

蒲生の日和山

 消滅したと聞いていた蒲生の日和山がずっと気になっていた。前回、中野小方面からは近づくことが出来なかったので、今回は工業団地側から入った。蒲生の住宅地は一面がれきの山と化していたがクルマは通れるようになっていた。しかし干潟方面は入って行けそうになかったので、海岸線までは歩いて行ってみた。かつて標高6.05m元祖日本一低い山があった場所は、その痕跡さえも見つけることはできなかった。息子が生まれてすぐに家族3人で登った想い出の山。これから家族一緒に少しずつ高い山に登っていこうと決意したスタート地点の山。それが消えてしまった。でも自分にとって大切な場所がどうなったのか、その現状を確かめることができて少しホッとした。
 クルマに戻る途中、道の脇に赤いランドセルを見つけた。中には教科書やノートがぎっしりと入っている様子。このランドセルをこのままにして立ち去ってはいけない気がした。持ち主の元に届けてあげなければと思った。恐るおそるフタを開けて中の窓を拭いてみると、住所と名前を読むことができた。スマホを使って住所を調べるとクルマですぐのところ。水を含んで重くなったランドセルをクルマに載せて住所の近くまで行ってみたが、全ての家が土台だけになっていて目的の場所が分からない。そこでスマホGPSマップを使って歩き回り場所を特定。その家のおそらく玄関だったと思われる位置にランドセルを置いた。自宅に戻って、県警の避難者名簿や犠牲者名簿を検索したが、ランドセルの持ち主やその子の親と思われる名前はなくて安心した。きっとどこかに避難していることだろう。家や大切なものを流されて、今その子はどんな気持ちでいるのだろう。いっぱい泣いてもいい。たくさん甘えてもいい。でも震災になんか負けないで欲しい。
日和山1
かつて日和山はここにあった。

日和山2
日和山の麓?のお社の鳥居がこんなところに